介護施設で行うイベントや行事のアイデア

介護施設での行事やイベントを行う際に、「どんなものがあるのだろう?」「具体的なアイデアが欲しい」といった疑問や考えをお持ちではないでしょうか。
このコラムでは、介護施設で行うイベントや行事の具体例やアイデア、イベント開催のメリットや注意点をご紹介します。
季節や年間の定番行事から、オリジナルのレクリエーションまで幅広くご紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
季節や年間の行事
春夏秋冬それぞれの時期にちなんだイベントや、毎年行われる年間行事など、1年の間にはさまざまなイベントや行事があります。介護施設でもそれらを参考に施設でできる事を考えれば、年間のイベントを企画・開催することができるでしょう。
▼年間行事や季節のイベントの例
月 | 行事 |
1月 | 新年会、初詣 |
2月 | 節分、バレンタインデー |
3月 | ひな祭り、ホワイトデー |
4月 | お花見 |
5月 | 母の日 |
6月 | 父の日 |
7月 | 七夕 |
8月 | 夏祭り、盆踊り |
9月 | 敬老の日 |
10月 | 運動会、ハロウィン |
11月 | 紅葉狩り |
12月 | クリスマス、忘年会 |
春の行事やイベント

3~5月頃を目安とした、介護施設で行われる春の行事やイベントをご紹介します。施設内外で、さまざまな催し物が開催される時期です。
ひな祭り
ひな祭りは春を代表するイベントの1つです。介護施設でひな祭りにちなんだイベントを行う場合、利用者の方と施設内の飾り付けやオリジナル人形の制作など、楽しみながら手指を動かせることがポイントです。行事食としてちらし寿司や、飲み物には甘酒なども楽しめます。
ひな祭りはイベントに合わせてメイクやおしゃれを楽しむ機会としても人気です。介護施設によっては、利用者がネイルやエステなどを体験できる企画を立てているところもあります。
お花見
春を楽しむイベントと言えば、お花見です。春のあたたかい気候を利用した外出を兼ねたイベントは、室内で過ごすことの多い介護施設の利用者の方に喜ばれるでしょう。桜や梅の花を見に近くの公園や歩道に出かけ、散歩したり写真を撮ったりして楽しむことができます。
なお、外出する場合は施設利用者の体調なども考慮して、駐車場やトイレの位置、歩く必要がある距離なども事前にリサーチしておきましょう。
利用者によっては心身の状態から外出が難しいことも考えられます。その場合は、施設の庭に花壇を用意しさまざまな春の花を植えるなど、施設内で桜以外でもお花見ができるようにするなど、工夫をしてましょう。
父の日・母の日
父の日や母の日も、介護施設で行える大きなイベントの1つです。利用者の方の家族が施設に多く訪れる機会になり、交流できる場や催しを用意すれば利用者と家族で楽しむことができます。施設内にカーネーションを飾ったり、施設側で食事会を企画したりするのもよいでしょう。
施設にいて日ごろ離れて暮らす家族同士の絆を深められるイベントだと言えます。
夏の行事やイベント

6~8月頃に介護施設で開催される、代表的な夏の行事やイベントをご紹介します。みんなで盛り上がれる物が多いことが特徴です。
七夕
夏の風物詩として、七夕は人気のあるイベントです。介護施設内に七夕の飾り付けを行う場合は、施設スタッフの方と利用者の方が一緒になって行うことができます。折り紙などを使って飾りを作る作業は、手先を動かすためリハビリとしての機能することもあります。
飾り付けが終わったら、みんなで短冊に願いを書いて飾りましょう。施設利用者同士で協力して何かを作り上げることで、コミュニケーションの機会にもなります。
夏祭り
夏祭りは、介護施設で行える夏の大きなイベントです。外で行われる夏祭りのように、ヨーヨー釣りやくじ引き、飲食の屋台など、施設全体で盛り上がれる催し物を用意すれば、多くの人が楽しむ場を作ることができます。
地域住民の方も参加できるようにして開催している所もあり、介護施設と地域の交流の場としても、夏祭りは重要な役割をもっています。
盆踊り大会
夏祭りの中で行われることもありますが、単独で開催される機会もあるのが盆踊り大会です。介護施設で行う場合、当日はスタッフや利用者が浴衣やはっぴに着替えて踊ることで盛り上がります。当日に向けてみんなで踊りを練習すれば、その成果を見せ合う場にもなります。練習をする過程でもコミュニケーションの機会が生まれたり、目標に向かって練習し当日を迎えることの達成感を感じてもらったりすることもできます。
オリジナルのうちわやタオルを作って用意するのもよいでしょう。介護施設利用者の方が誰でも簡単に作れるようなグッズを用意しておけば、踊ることはできない利用者でもイベントに参加してもらうことができます。
秋の行事やイベント秋の行事やイベント

9~11月頃に介護施設で開催される、秋の行事やイベントをまとめました。室内でのイベントや、気候を生かした運動会などが行われます。
敬老の日
敬老の日には、介護施設利用者の長寿を施設のみんなでお祝いします。ゲームや出し物が行われる場合もあり、施設全体で楽しむことができます。利用者の家族なども招待すれば、イベント参加者の人数も増え、より盛り上げることができるでしょう。
また、お祝い御膳など普段とは違ったごちそうを振る舞うことで特別感を演出している所もあります。
運動会
秋の過ごしやすい気候を生かした運動会も、介護施設の大きなイベントの一つ。介護施設の運動会は室内で行われることも多く、スポーツの秋を満喫できるイベントだと言えるでしょう。
玉入れやスプーンリレーなど、室内で開催できてみんなで参加しやすい競技が中心になります。施設利用者の心身の状態を気遣いながら、できるだけ全員で協力して行えるような競技を考えてみましょう。
運動会でも、他の項目で触れたようなうちわやはちまきなど、小道具を用意しておくと、お互いを応援したりチーム意識を持ってもらったりと、イベントを盛り上げるきっかけになります。
ハロウィン
10月の大きなイベントとして定着しているハロウィンは、介護施設でも人気の行事です。仮装したスタッフが利用者の方にお菓子を配ったり、歌や踊りを披露したりして盛り上がります。スタッフだけでなく、施設利用者の方も使える帽子などの簡単な仮想アイテムを用意しておけば、全員でハロウィン気分を味わうことができます。
また、他のイベント同様に、飾りつけも行いやすいイベントなので、スタッフや利用者で一緒に工作するのもよいでしょう。ハロウィンになじみのない方もいるかもしれないので、新鮮な気持ちで楽しめるように工夫することも大切です。
冬の行事やイベント

12~2月頃に介護施設で行われる、冬の行事やイベントをご紹介します。年末年始を挟むので、一年の中でも重要なシーズンです。
クリスマス会
冬のイベントとして、人気があって盛り上がるのがクリスマス会です。さまざまな催しのアイデアがありますが、具体例としてサンタに扮したスタッフが、介護施設の利用者の方にプレゼントやケーキを配ってお祝いする方法があります。他にも、当日までに施設利用者の方々に簡単に手作りできるプレゼントを用意してもらい、プレゼント交換会を行うというアイデアもあります。
クリスマスをイメージした装飾を施設内に施したり、豪華な食事を用意したりと、特別な演出で楽しんでもらえる工夫をしましょう。
忘年会・新年会
忘年会や新年会は、冬を代表する行事です。一年を振り返り、新たな年の訪れを介護施設のみんなでお祝いします。年越し蕎麦や新年のお祝い膳など、食の楽しみも多いイベントです。
食事の他にも、新年であればみんなで絵馬作りや書初めをして、頭や体を使いながら新年の抱負を形にするのもよいでしょう。
節分
節分は2月に行われる代表的なイベントで、みんなで楽しめるものです。例として、スタッフが鬼に扮し、利用者の方が「豆まき」をする方法があります。安全面や衛生面に配慮し、豆まきに使う豆は折り紙や新聞紙で作るケースも増えています。簡単にでも体を動かす機会になれば、運動不足の解消にもつながります。
また、節分に食べる恵方巻もイベントに組み込むことができます。恵方巻を用意して一緒に食べるほか、具材を用意して利用者で協力して一から作るのもよいでしょう。
季節や年間の行事以外のイベント
時期を問わず行えるイベントや介護施設の利用者に合わせたイベントも多くあります。ここでは季節や年間の行事以外に介護施設で開催できるイベントについて5つの例をご紹介します。
誕生日会
誕生日会は毎月行われたり、介護施設によってはそれぞれの利用者の誕生日に合わせて開催されたりしています。施設のみんなで一人ひとりの利用者をお祝いし、プレゼントを渡してケーキを食べたり、食事では利用者の大好物が振る舞われたり、あたたかみのあるイベントになります。
他の利用者にメッセージカードを書いてもらって集めたものを寄せ書きの様にしてプレゼントしたり、写真をまとめてフォトブックを作ったりと、プレゼントもアイデア次第で利用者に合わせたものが用意できます。
音楽会
歌や楽器などを楽しむため、ボランティアの方や地域の方々を招いて開催される音楽会は、人気のあるレクリエーションです。音楽にはヒーリング効果もあると言われており、リフレッシュにつながります。
外部からの招待が難しい場合は、楽器経験のあるスタッフや、利用者に楽器のできる方がいれば、実際に演奏を体験してもらうようなイベントを開くのもアイデアの一つです。
アニマルセラピー
犬や猫などのかわいい動物たちを介護施設に招くのが、アニマルセラピーです。動物との触れ合いを通じ、施設利用者の方が心身ともにリラックスできるレクリエーションとなっています。
ただし、アレルギーを持っている方や動物が苦手な方もいるかもしれないので、開催を考える際は利用者に十分配慮しましょう。
地域の学校との交流イベント
地域の小中学生や、幼稚園・保育園の子どもたちを招いた交流イベントも、介護施設で開催できるイベントのあり方の1つです。イベントの内容は演劇や紙芝居、各種発表会などさまざまで、ステージを用意して子どもたちに披露してもらいましょう。利用者にとってはお孫さんと接しているような気持ちになるでしょう。
バイキング
食を楽しむイベントとして、バイキングは人気があります。提供される料理は施設内で手作りされることも多く、おいしくてできたての食事を心ゆくまで楽しめます。食べ放題にして、好きなように食事を選べるようにすると、利用者も普段の食事とは違った楽しみ方ができるでしょう。
介護施設でイベントを開催するメリット
介護施設では、年間を通じてさまざまなイベントや行事が開催されています。ここでは、イベントを開催するメリットについて簡単にご説明します。
まず、定例イベントは季節が体感でき、心身のリフレッシュにつながります。イベントを通じて利用者の方の家族や地域の方々と交流するきっかけとなり、「社会の一員として生きている」と実感してもらう機会となるのです。また、大きなイベントの際は準備段階から参加することで、成功時に達成感も得られます。
日常的なレクリエーションの中では、さまざまな人とコミュニケーションが図れ、外出や作業などを通じて身体機能の維持や向上につながります。
介護施設におけるイベントは利用者の方にとって、楽しみや生きがいを見つけるきっかけとなる、大切な時間であると言えるでしょう。
介護施設でのイベントにおける注意点
介護施設で行事やイベントを行う際には、いくつかの注意点がありますのでご紹介します。
イベントは目的を明確にし、施設利用者の方だけでなくスタッフも心から楽しめるような企画をしましょう。企画者が自ら楽しむ気持ちを持ち、一人ひとりの利用者を尊重した運営を行うことが大切です。
イベントを実際に計画・実行する際は、利用者の方の立場に立ち、以下のようなポイントに注意してください。
まとめ
このコラムでは、介護施設で行うイベントや行事の具体例やアイデア、イベント開催のメリットや注意点をご紹介しました。
介護施設のイベントでは、季節や時期に合わせて定期的に開催されるものから、誕生日会や音楽会、地域交流など不定期に開催されるものまでざまざまです。イベントを開催するときは、施設利用者の立場に立ったうえで気持ちに寄り添い、「みんなで楽しむ」という共通意識が大切です。
今回のコラムを参考に、介護施設のみんなで楽しめる行事やイベントを考えてみてください。
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